江澤園生　ちりめん細工展

91歳になる江澤園生さん(日南町在住)は、35年前に出合った一冊の本をきっかけに、ほぼ独学で「ちりめん細工」を始めました。
ちりめん細工は、江戸時代に着物の材料になる絹織物の端切れを使い、小さな袋物や人形、玩具、小箱などが作られるようになった歴史を持つ伝統手芸です。
「ちりめん（縮緬）」は、肌触りが良く、しなやかな風合いと、表面の細かな「しぼ」といわれる凹凸が特徴で、その反射による鮮やかな色合いも魅力です。
現在では、ポリエステル製も広く普及していますが、江澤さんは正絹にこだわり、一針一針丁寧に手縫いを続けてきました。
この度、卒寿を迎えられた記念として、日南町美術館で18年ぶりとなる作品展を開催します。
端午の節句やお正月、雛飾りといった歳時物から、花や鳥、動物、手毬などの小さな細工物を糸で繋げた吊るし飾り、創作人形、押し絵（タペストリー）など、数々の作品を展示します。
小さな布の愛おしさと、手仕事の温もりが感じられる、ちりめん細工の世界を、是非この機会にご覧ください。